ケア業界のお仕事辞典

~介護の仕事の詳細をお話します~

サービス提供責任者とは?

 サービス提供責任者は、介護福祉士の資格を持っている人や、介護実務者研修を終了している人が担当する役割です。サービス提供責任者になってもホームヘルパーとして訪問介護を続ける事がありますが、現場に立つ事が出来ると利用者や介護者との心の距離が近づけられるメリットがあります。
 あるケースですが、要介護5の寝たきりで1日3回の胃瘻投与を行っているご家族がいました。介護の手が必要なのでヘルパーの訪問は毎日あり、その他に週に2回の訪問看護、週に1回の訪問入浴と訪問診療があります。それだけでなく、不定期ですが訪問歯科診療も受けていました。
 胃瘻投与の経験がある人なら分かりますが、胃瘻は1回に要する時間が長くしかも次の投与までに一定の時間をあけなければいけません。しかも入浴や前進のケアで利用者さんの体を動かす前には胃瘻投与を終了させて、しばらく休ませておかなければ嘔吐や誤嚥を起こす可能性があり危険です。したがって介護者は、その日の訪問スケジュールに合わせて早朝から胃瘻や他のケアに天手古舞いなのです。
 ある日サービス提供責任者がホームヘルパーとして訪問した時に、介護者が疲労困憊の様子で悩んでいました。話を聞くと胃瘻や訪問入浴追われる毎日で、休息出来る日にちが全くありません。ここでケアマネジャーに連絡をして、ケアプランを見直しました。
 入浴サービスの日の訪問介護を1回減らし、症状が落ち着いている今は訪問看護を週に1回に減らして通所利用に変更しました。これで介護者が休息や息抜きが出来ます。 以上、サービス提供責任者が現場で介護者に寄り添い、問題解決した例でした。やりがいのある仕事ですので、興味がある人は目指してみるのも良いかもしれませんね。